
💡はじめに|BTCが1,850万円突破──なのに株価は下落?
2025年10月6日、ビットコインが史上最高値となる1,850万円を突破しました。
暗号資産市場が盛り上がる中、関連銘柄として注目されていたメタプラネットの株価は、まさかの前日比マイナスで終了。
「ビットコインが上がれば、メタプラネットも上がるはずでは?」
そんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。この記事では、メタプラネット株がビットコインと連動しなかった理由を、複数の視点から分析します。
📈 メタプラネットとは?なぜBTCと連動するのか
メタプラネットは、企業資産の一部をビットコインで保有する「BTCトレジャリー戦略」を採用している企業です。
そのため、ビットコインの価格が上昇すれば、企業価値も上がると見られ、株価が連動する傾向がありました。
特に2023年〜2024年にかけては、ビットコインの値動きと連動する“擬似ETF”的な存在として注目されていました。
しかし、2025年後半からはその連動性が崩れつつあるという指摘も出ています。
⚠️ メタプラネット株が下落した主な理由
出典:Yahooファイナンス
📊 信用買残の偏りと需給の悪化
信用買残が多すぎると、株価上昇時に利益確定売りが集中しやすくなります。
特に短期筋が多い銘柄では、上昇の初動で「利確売り」が出てしまい、上値が重くなる傾向があります。
実際、10月6日は窓埋めの下落が発生し、需給バランスの悪化が株価に影響したと考えられます。
🧾 MSワラントによる希薄化懸念
メタプラネットは過去に大規模なMSワラント(行使価格調整型新株予約権)を発行しています。
この仕組みでは、株価が上昇すると新株が発行される可能性が高まり、既存株主の持ち分が希薄化するリスクが生じます。
そのため、投資家心理として「株価が上がれば新株が出てくる」という懸念があり、上値が抑えられる構造になっています。
📉 材料出尽くしと事実売りのタイミング
10月1日には、2025年12月期の営業利益予想を88%上方修正する業績発表がありました。
しかし、株価はその後反落。これは「材料出尽くし」や「事実売り」の典型的なパターンで、すでに好材料を織り込んでいた市場が利益確定に動いたと見られます。
この流れが10月6日にも継続していた可能性があります。
🔍 BTCとの連動性が崩れている?
2025年6月以降、ビットコイン価格とメタプラネット株価の相関が低下しているという分析もあります。
株価は6月の高値1,930円から70%以上下落しており、企業固有のリスクが意識されるフェーズに入っていると考えられます。
具体的には:
- 増資リスク
- 流動性の低下
- mNAV倍率の乖離(株価が純資産価値に対して割高)
などが投資家の警戒材料となっており、ビットコインの価格上昇だけでは株価が反応しづらくなっています。
🧠 筆者の視点|“BTC連動株”の幻想と現実
「BTCが上がれば株も上がる」という単純な構造は、今や崩れつつあります。
株価には企業の資本政策や投資家層の構成が大きく影響するため、ビットコイン価格だけでは説明できない局面に入っているのです。
とはいえ、ビットコイントレジャリー企業の株を買う最大のメリットは、ビットコイン価格との連動性にあります。
この連動性が失われれば、投資家は「それなら直接BTCを買えばいい」と考えるようになり、株式としての魅力は薄れてしまいます。
今後、メタプラネットが再びビットコインと連動するには:
- 増資リスクの透明化
- mNAV倍率の健全化(1.2倍以下)
- 機関投資家の参入による需給安定化
などが必要になるでしょう。
✅ まとめ|BTC最高値でも株価は別の論理で動く
- ビットコインが史上最高値を更新しても、関連株が必ずしも連動するとは限らない
- メタプラネットの株価には、信用残・ワラント・需給・企業戦略など複数の要因が影響
- 「BTC連動株」としての魅力は、価格連動性があってこそ成立する
- 投資判断には、価格だけでなく“構造”を見極める視点が必要
BTC価格と株価の“ズレ”を見抜くことが、次の投資判断につながります。







