
💡はじめに|ブロックチェーンは“絶対安全”ではない?
「ブロックチェーンは改ざんできない」──そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、実は“例外”があります。それが「51%攻撃」と呼ばれるものです。
2025年8月、匿名性の高い暗号資産モネロ(Monero)がこの攻撃を受けた可能性があると報道され、業界に衝撃が走りました。
この記事では、51%攻撃の仕組みとリスク、モネロの事例、そして今後の対策についてわかりやすく解説します。
🧠 51%攻撃とは?仕組みとリスク
ブロックチェーンは、複数のノード(参加者)が取引を検証し、合意形成することで成り立っています。
そのうち51%以上の計算力(ハッシュレート)を支配されると、攻撃者がネットワークを操作できる可能性が生まれます。
具体的には以下のようなリスクがあります:
- 二重支払い(ダブルスペンド)
- 過去の取引履歴の巻き戻し
- 他の取引の拒否や遅延
つまり、ブロックチェーンの“信頼性”が根本から揺らぐ事態です。
🕵️ モネロが受けた51%攻撃の概要(2025年8月)
Cointelegraph Japanによると、モネロのネットワークが51%の支配を受けた可能性があると報じられました。
一部のマイナーが過半数のハッシュレートを占有し、ブロック生成を操作したとみられています。
モネロは匿名性が高く、取引履歴の追跡が困難なため、攻撃の検証も難しいという課題があります。
現在、開発者コミュニティではコンセンサスアルゴリズムの見直しが提案されており、今後の対応が注目されています。
📚 過去の51%攻撃事例とその影響
モネロ以外にも、過去には複数の暗号資産が51%攻撃を受けています:
- Ethereum Classic(2019年):数百万ドル規模の二重支払いが発生
- Bitcoin Gold(2018年):約1,800万ドルの損失
- Verge、ZenCashなども被害を受けた
これらの通貨はすべてPoW(Proof of Work)型であり、ハッシュレートの集中が攻撃の引き金となりました。
🛡️ 51%攻撃への対策と今後の動向
51%攻撃を防ぐためには、以下のような対策が考えられています:
- ハッシュレートの分散化(マイナーの集中を防ぐ)
- コンセンサスアルゴリズムの変更(PoSやPoW改良型)
- チェーン監視とアラートシステムの強化
モネロでは「ランダムX」というCPUマイニングによる分散化を進めていましたが、今回の事例で限界も露呈しました。
✍️ 筆者の見解|“安全神話”に頼らないリテラシーを
ブロックチェーン=安全という認識は、技術的な理解があってこそ成り立ちます。
51%攻撃は理論上の話ではなく、実際に起こっている現実です。
暗号資産を扱うなら、価格だけでなくセキュリティ設計にも目を向けることが重要だと改めて感じました。
✅まとめ|51%攻撃は“例外”ではなく“現実”
- モネロの事例は、匿名性の高い通貨でも安全ではないことを示した
- 51%攻撃はPoW型通貨の構造的な弱点
- 暗号資産を選ぶ際は、セキュリティ設計や運営体制もチェックしよう
今後も安全に暗号資産を扱うために、技術的なリスクにも目を向けていきましょう。


